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1. さよなら資本主義国
当たり前ながら、日本から共和国への直行便はありません(昔はあった。有名な万景峰号もあるし、もっと前には飛行機のチャーター便もあったという)。
というわけで、日本から中国東北部の瀋陽を経由して向かいます。
しばらく資本主義国から離れます。
飛行機が明らかに共和国を避けて飛んでいる。
瀋陽に到着!
駅がデカい。
本日の宿(約1200円)。
廊下が薄暗いのはともかく、ちゃんとしたベッドもある広い部屋でとくに不満もなく泊まれました。
2-1. 瀋陽
朝。瀋陽北駅。
北駅前。とにかく中国の都市は大きい。
そして、とにかく並ぶ。
地下鉄に乗ります。
地下鉄に乗るだけなのに荷物検査がある……。
公共施設やショッピングモールでの荷物検査は外国ではよくあることなのは後になって知りました。
カーネルおじ……李先生!?!?
至るところで工事しているし、活気がある。
郊外はのどかだ。
……あれ、次の飛行機の時間が……。
2-2. 遅刻、共和国人民から怒られる
同志「[女學生]さんですね?もうすぐ出発時間ですよ!遅いんじゃないですか(# ゚Д゚)」
空港で出迎えてくれた共和国の人民から怒られました……。ごめんなさい。
でもなんで私の顔と名前知ってるんだ。
その後も
- 荷物検査までの道がやたらと長い
- 航空券の名前が1文字だけ微妙に間違えてる
- そのせいで出国審査でめっちゃ時間がかかる
など、責任の所在が自他ともに様々なトラブルがふりかかり、一時は共和国に入れないんじゃないかと不安になりました。
――が、なんとか飛行機に乗り込めました……よかった。
高麗航空、瀋陽発平壌行き。
後で調べたところ、機体はボーイングでもエアバスでもなく、ウクライナの「An-148」というものでした。
何気に放射線マーク☢が貼ってあるのが気になる。
そして人生で(今のところ)一回きりのビジネスクラスでした。
飛行機に(物理的に激しく)揺られること2時間。
ついに……!
2-3. 共和国上陸
平壌空港。無事入国できました!
「日本人ですか?[女學生]さんですね?わたくしたちがガイドです」
空港を出てすぐにガイドさんと合流しました(だからなんで顔と名前知ってるんだ)。
共和国では個人旅行は絶対にできません。
- 通訳兼ガイド(兼監視役)2人
- 専属ドライバー1人
- 移動用ワゴン車1台
団体だろうと一人だろうとガイド×2+運転手+専属の車という構成が必ず付いてきます。
私と一緒に廻ってくれたのは、男性の李(リ)さんと女性の崔(チェ)さん、運転手の男性・朴(パク)さん。
通訳の二人はどっちも30歳前後、アラサーです。もちろん日本語も上手……なんだけど、一度も日本には行ったことがない(というか行けない)ためか、
「わたくし」
「~であります」
など、言葉に少しだけギャップがある。
少しだけなので全然気にならないし、むしろ自分では行けない外国の言葉をマスターするなんてすごいよね。
平壌の広場。
どこにでもありそうな広場。
でも、これから向かうのは……。
二人の銅像です。
共和国に訪問したら必ずここに参拝しないといけません。
「参拝」ということで、花束を日本円で買って(1000円!)二人の足元にお供えします。
二人の両脇を革命戦士と人民たちが固める。
ここは小高い丘になっている。
偉大な指導者は永遠に革命の首都を見守るのだ。感慨深い。
遠くには千里馬(チョンリマ)像が見える。よく共和国のニュース映像のオープニングに出てくる。
ガイドさんいわく、ここには平壌人民が人生の節目――進学や結婚など――の折に「参拝」しに来るそうです。
日本でいう神社のような求心力もあるのかな。
2-4. 平壌の夜
参拝する頃にはもう夕方。
さっそくホテルに向かいます。
本日から3泊する宿。
人生最初で最後のスイートルームが平壌でした。
部屋から平壌市街を眺める。
「アリラン」社製のテレビ。
日本のメーカーの器具もある。
ホテルのロビー。
すごい豪華。
すごい豪華なんだけどどことなく80年代っぽい。
ガイドさんと一緒に夕食へ出かけました。
途中、よく軍事パレードをやってる広場を通りかかりました(ブレててごめん)。
明日からは本格的に共和国観光が始まります!
つづく。*1
2-0. おまけ。
共和国で配る予定の差し入れ(賄賂ではない)。
正規の旅行代金(16万円)のほかに、
- 金日成・金正日同志銅像献花代(なぜか日本円支払い、1000円)
- ガイド+運転手への謝礼(賄賂ではない)=一人1000円
- 板門店・軍事境界線を案内する人民軍兵士への差し入れ(賄賂ではない……多分)=タバコ。
- 現地の学校を訪問するときの差し入れ=私は今まで貰った白紙のノートを用意しました。
……などを用意しなければならない。賄賂ではな……賄賂だよなこれ。
ちなみにタバコの銘柄で「ピース」を選んだのは言うまでもなく共和国の平和を願っているからです。ピースが癖の強いタバコだと知ったのは帰国してからでした。どうりで人民軍のおっさんが半笑いで受け取ったと思ったら……。
入国ビザ。裏に私の個人情報が書いてあります。
共和国内ではこのビザとパスポートをガイドさんに預けて移動します。逃げらんねえ。
*1:4月から新学期も始まっていろいろ忙しくなりそうです。つづきは気長にお待ちください(´・ω・`)