「お前がやったんだろ?」
「…………」
「なあ、カツ丼でも食うか?」
「…………実は……!」
こういうやりとりに、私は憧れていた。
でも、現実は甘くなかった。
取調室でカツ丼は出ない
取り調べでカツ丼は出ない。むしろ、出してはいけない。
衝撃的だが、よくよく考えれば(贈収賄的な意味で)当たり前な事実を、私は受け止めきれなかった。
私は「カツ丼食べる?」を取調室で言いたくて、婦警(ポリティカルコレクトネスを勘案すれば女性警察官)を目指していた。
でも、それが今の(コンプライアンス全盛期の)時代にはできない。
私は絶望した。
……ただ、まれに、いろいろあって容疑者側に提供されることはあるようだ(もちろん「食うか?」側の刑事は社会的に怒られる)。
もう私は犯人になるしかないのか。
私の第一志望は犯人です。
……そう進路指導の先生に相談しようと思った、高2の冬でした。
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おわりに
わたしの生まれた地域では「卵で閉じない」カツ丼がふつうで、むしろ一般的なカツ丼を都会で見てびっくりしました。
このエントリは「かつ丼とカレンダー Advent Calendar 2019」の記事でした。
近況報告ですみませんでした。
じゃあね。